F-15ならABなしでも音速を超える!
さて、ついにマッハ1.7程度まできました。F-4ではこの辺が限界でしょう。数字上ではこれ以上の加速も可能ですが、ここまで加速すると日本では飛行場まで帰る燃料がありません。
米国ならば砂漠の真ん中の、真下に滑走路があるような場所ならば、燃料を気にしなくてどんどん加速すればいいのですがね~。日本ではそうはいきません。
超音速飛行は地上に影響を与えないように、日本国土から100マイル(185キロ)以上離れた海上で実施するので、そこから基地に帰るためにそれなりの燃料を残さなければいけないからです。
これより先まで加速するには飛行機を乗り換えた方が無難です。F-15でさらに加速しましょう。
ちなみにF-15がクリーン(外装物なし)状態であれば、4万フィート(1万2,192メートル)・MILパワーで普通に音速を超えます。音速を超えたままを維持することはできませんが、音速前後を行ったり来たりします。
そんな状態でAB(アフターバーナー)を着火すれば、どんどん加速してあっという間にマッハ1.8程度まで加速していきます。私の個人的経験ではマッハ2.0までは加速できましたが、ここまでくると、ギシギシという音と、なんか異様な臭いで不安が一杯(!)になります。
そして、やっぱり止めようという気になって、アフターバーナーを切ることになります(笑)。
しかしアフターバーナーを切れば終わり、とはいかないのが超音速飛行です。ここで迷いが生じると、帰る燃料が足りなくなってしまいます。
続きは次回!
連載「F-2テストパイロットが教える 戦闘機パイロットの世界2」第2回─終─
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