ヘルメットとハーネスはオールシーズンタイプ
服装はシーズンによってこのように変化しますが、ヘルメットとハーネスはオールシーズンタイプです(笑)。
また、ヘルメットは機種によって違ってきます。そもそもHUD(ヘッド・アップ・ディスプレイ)装備機かHMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)装備機かで異なりますし、機種によっても変更しなくてはいけません。ヘルメットについては、話がめちゃ長くなるので、また別の回で詳しくお話ししたいと思います。
実はハーネス、厳密にはハーネスと緊急胴衣が一体化しているものですが、機種によって微妙に異なります。F-15やT-4のハーネスではF-2には乗れません。
(ちなみに緊急胴衣には、上半身を浮かせるフロートや無線機、発煙筒なども入っています)
なお、戦闘機のところへ向かうまでは、ハーネスの胸と太ももにある留めフックは外した状態で行動します。これらを絞めてしまうと、動きが取れなくなるほど体を絞めつけるからです。
ちなみに昔は、パラシュートを背負って戦闘機までトコトコ歩いていく必要がありました。でも現代の戦闘機はパラシュートがすでに座席にセットされていますので、ハーネスだけつけて戦闘機まで行き、着座後にハーネスとパラシュート座席などを接合して、座席とパイロットを一体化すればよくなりました。
パラシュートは20キロぐらいあったので、これを背負って戦闘機まで行って搭乗するのはかなりの労力だったわけですが、ハーネスだけになったことでピクニックに行く程度の体力があればよくなりました。
免許証も忘れずに!
この他に戦闘機(飛行機)に持っていくものは、飛行エリアの地図(F-2以降は地図がディスプレイに出るので不要)や、飛行に必要な各種資料(人によって異なります)などを持参します。具体的には、一番大事なのはその戦闘機のチェックリスト(緊急対処とか書いてある小さな本)で、他には各種周波数表や国内飛行場情報小冊子(通称フリップ)、任務に必要な資料などです。
(テストパイロットが行なう)飛行試験の場合は、膨大な量の記録用紙や手順書、制限事項メモも持っていきます。
また、法的には戦闘機の免許証も持って行く必要があります。一般的な自動車免許だと「中型・二種」みたいな区分ですが、軍用機の場合はざっくり言うと「F-15」や「T-4」といった型式指定になります。
もっとも、私が35年間飛んでいて、戦闘機の飛行中に免許証の提示を求められたことはありません(笑)。その上、一度ビデオレンタル屋さんで免許証の提示を求められたので、飛行機の免許証を出してみましたが、「なにこれ?」と言われて却下されました(笑)。
飛行機の免許証については、自衛隊や民間機で明確に細かく区分されています。なので免許証も明快なものですが、航空機メーカーの民間人パイロット(テストパイロット)が自衛隊機を飛ばすときには、免許が複雑になります。これもまた別の機会にご説明いたしましょう。
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