照準自体は楽だった機首部の機銃
ちなみに機首部にだけ機銃がある機体の場合は射線がそこまで広がらないので、照準の調整はもっと楽でした。Me109(Bf109)の多くの型や、日本陸軍の一式戦 隼、アメリカのP-38ライトニングなどです。
ただしエンジン部の周囲に機関銃も弾薬などのすべてを設置する必要があるため、搭載できる機銃も少なく、携行できる弾数も少ないという状況になりやすい欠点がありました。
[図3]のように三胴設計で機首部の空間を自由に使えたP-38を別にすれば、多くの機体は常に火力不足に悩まされることになりました。
しかし機関銃を機首部に積めるなら、その方が照準の調整は楽です。なので、のちに戦闘機がジェットエンジンを積むようになって機首部にエンジンを積まなくなると、より多くの銃と弾薬を積めるようになり、機首部に機関銃を積むパターンが主流になります。
さらに時代が進み、機首部にレーダーと火器管制装置(FCS)が搭載され始めると再び胴体横に移動したりしますが、それでも主翼に機銃を積むことはなくなります。
プロペラ機の主翼機銃は妥協の産物ではあったのです。ちなみに(ジェット機の)胴体側面の機関銃も、主翼機銃ほどではないにしろ、上下左右の調整は必要なためにわずかに角度をつけて搭載されています。
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