照準──M14は精密、AK47は手軽
さて、狙う。M14はピープサイト(孔照門)であり、AKはオープンサイト(谷照門)である。正確な照準には孔照門のほうがよい。谷照門は上下の誤差が出やすい。
しかし、突然現れた目標に、ぱっと銃を構えて瞬時に狙うということなら谷照門のほうが有利である。遠距離の目標を正確に狙うより、近距離の目標を瞬時に狙う、というAKの性格がここにも表れている。
また、孔照門は、正確に狙える反面、雪や泥で孔(あな)が詰まる心配がある。雪や泥の中を這いまわるような戦いでは、M14よりAKのほうが信頼性が高いということは言える。もちろんM14だって、機関部がドロだらけになっても水筒の水でもかけて、ざっと泥を落とすだけで、少々の泥くらい付いていても撃てるタフさはあるのだが、AKは第二次世界大戦で雪と泥の戦場で戦った経験にもとづいて作られた銃なのだ、ということを強く感じる。
射撃の反動──M14が2倍重いが、AK47も軽くはない
引き金を引く。M14にくらべてAKの引き金が重いとか雑だということもない。
発射の反動は、倍くらい違う。火薬の量が2倍違うのだから当然だ。弾丸の重量もM14のほうが重いので、重い弾丸を撃ちだすほうが反動は強くなる。
AK47の反動は64式小銃と同じくらいだ。64式は減装薬だといっても常装NATO弾の1割減にすぎないのだが、64式はマズルブレーキが反動を押さえてくれるし、慣性スライド式のメカも反動を柔らかく感じさせてくれているだろう。
その点、AKは反動を軽くする工夫は一切ない。まあ、設計当時の感覚からすれば、火薬の量を半分にした弾を使って、従来の銃の半分ほどの反動になっているのに、なお反動を軽減する必要など考えもしなかったろうとは思う。
しかし現代人の目からすると、AK47は反動の軽減という点では何も考えていない銃である。もっともその観点で語ったら、M14など論外なわけだが。
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