ナガンのダブルアクションは引き金が重すぎる
さて26年式はダブルアクション1・オンリーである。指で撃鉄を起こして、軽い引き金の引きで射撃ができるシングルアクションと比べると、正確な射撃をすることができないのだ。とはいえ、実際標的を撃ってみた結果は図のようなもので、騎兵の拳銃射撃なんて敵のサーベルの1m遠くから撃てればいいのだから。
ナガンはシングルアクション2でもダブルアクションでも撃てる。「それは初期型の話で、後期型はダブルアクション・オンリーなっている」とも聞くのだが、筆者が撃ったナガンはシングルアクションで撃てた。
ナガンはシングルアクションで撃てないと駄目だ。ナガンのダブルアクションはとんでもなく引き金が重く、実際上ダブルアクションじゃ撃てないと感じるほどだ。ロシア兵はこんなものを本当にダブルアクションで撃ったのか?
ナガンの引き金の重さは、独特のシリンダーギャップからのガス漏れ防止機構に起因している。たいていのリボルバーはシリンダーと銃身の間に0.2mm前後の隙間がある。そこから火薬の燃焼ガスが漏れる。
そこでナガンは引き金を引く力でシリンダーを前へ押して、薬莢の前端を少し銃身に押し込まれるようにして隙間をなくし、ガス漏れをなくして、火薬のロスを少なくして威力を増そうというアイデアだった。しかし実際には、ここから漏れる火薬ガスによる威力低下は数%にすぎず、変な工夫をするより火薬の量をそれだけ増やすほうがずっとシンプル・イズ・ベストな方法だ。
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