問題となったインテークと機体構成
2004年の一次審査において「優れた技術的基盤に基づく設計」とされたものの、「未だ改良の余地あり」と評価され、瀋陽案は一旦凍結されてしまう。
瀋陽は直ちにインテークなどの改善を行なったとされるが、2007年の最終審査において、軍は成都の案を採用することを決定している。
瀋陽が落選した理由については明らかになっていないが、原因の一つはインテークのようだ。瀋陽は当初F-22と同じ二次元インテークに拘っていたようで、DSIインテークへの変更に上手く対応できなかったのかもしれない。
また、「主翼+水平尾翼+前尾翼」の機体構成は、高機動時に翼面荷重を低減させる利点が挙げられるが、一方で構造重量が増大するという不利を招く。
加えて、成都はJ-10において「クリップド・デルタ+前尾翼」の実用化に成功しており、その制御技術を手に入れたが、より複雑な瀋陽案の「主翼+水平尾翼+前尾翼」という3翼構成の制御は困難な課題と認識された可能性もある。
しかし瀋陽は、落選後も諦めることなく、自主的にステルス戦闘機(J-31)開発を継続するのだが、この新たな機体については別の機会に詳しく紹介したい。
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