J-20のステルス性能①──機体形状
J-20のステルス性能については、「F-22に比べて機体が大きく、翼の面積も広い」とか「カナードによりステルス性が台無し」といったように、メディアでさまざまな論評がなされてきた。
J-10の総設計師であり、J-20の総設計師・楊偉(ヤン・ウェイ)の師匠でもある宋文驄(ソン・ウェンゾン)は、2001年に記した論文「低アスペクト比翼の高揚力機体の空力設計」の冒頭で、ステルス対策を含む機体の設計について「前方象限1からは各翼の後退角度と新形式のインテーク、側方からは機体断面と尾翼配置をステルスに適したものとしなくてはならない」と述べている。
ステルスには「反射角のルール」ともいわれるものが存在する。敵のレーダー波の反射を回避するため、翼やその他の構成面を、到来するレーダー波を逸らす角度で統一する。J-20の平面図を見てみると、カナードや主翼前後縁の角度などはそれぞれが一致しており、ステルス対策を意識したものであることが一目瞭然である。
機体断面についても、F-22やF-35などのステルス戦闘機同様、機首部分にはチャイン(側面の山型の折り目状突起)が設けられている。胴体も側方に垂直になった面はなく、すべての面に傾斜がつけられており、レーダー反射を逸らす着意が払われている。
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