真打ちとされるWS-15「峨嵋」エンジン
J-20の本命エンジンは推力18トンを目指す渦扇15(WS-15)「峨嵋」だ。
推力10トン超のWS-10の実用化は、米国における1980〜90年代のP&W F100あるいはGE F110エンジンと同程度の技術レベルに到達したと考えてよいが、中国航空開発部門はWS-15の開発によりエンジン開発における格差を一気に縮めようとしていると考えられる。
WS-15は、1990年代にロシアから入手したR79-V300エンジンの技術が基礎になっているとされる。
R79-V300は90年代に開発中止となったYak-141垂直離着陸(VTOL)戦闘機用のエンジンである。90年代、ロシア経済の低迷により苦境に喘いでいたヤコブレフは開発中止となったYak-141の技術を中国航空開発部門に売却したのだ。
同エンジンは、アフタバーナー使用時に15トンに達する最大推力もさることながら、ドライでも10トンを超えるパワーを発揮する。
開発を急いでいると言いますが中国の場合少し考え方が違うと思います。コスト回収を急いでいます。エンジン開発に莫大な費用を注いでおりそれが戦闘機開発だけでは回収できないでいます。J-31などもこのWS-15を積むと言いますが、市場では契約がとれていません。中国武器市場の取引相手は中進国か後進国のため、高価な戦闘機を購入できないためです。そのため、C919など民間旅客機のエンジン用も開発して、運用実績や整備・運用経験値も含めて稼ぐ内容ではないでしょうか?軍民一体で事業に邁進する中国らしい発想です。