ほぼ仰向けの姿勢となる「操縦手席」
(M-1戦車の場合)操縦室は車体前部に位置しており、左右に燃料タンクが配置されているため耐火性のバッフルプレートで囲まれている。操縦手は仰向けになるようなポジションを取り、上方にはペリスコープの付いたハッチが設けられている。
①視察用ペリスコープ……倍率1倍のワイパー付きで、操縦手がここを仰ぎ見る形で操縦する。左右にもペリスコープがある。夜間走行用の暗視鏡付きのものに交換可能(中央のペリスコープのみ)
②操縦士ハッチ……操縦士はここから出入りする
③ステアリング・コントロール・ハンドル
④ブレーキペダル
⑤パーキング・ブレーキペダル
⑥パーキング・ブレーキ解放ハンドル
⑦操縦手計器盤……各種スイッチ類のマスターパネルが並ぶ
⑧ヒーター・ダクト・コントロールレバー……暖房の調整レバー
⑨NBC防護マスク・ホース
⑩消火器操作ハンドル(操縦室および戦闘室消火用)
⑪消火器操作ハンドル(動力室消火用)
⑫シート上下調節レバー
⑬操縦手席
⑭インター・コム装置……内部通話装置
⑮ハッチ開閉クランク……操縦士用ハッチを開けるか閉めるかを設定する装置
⑯操縦士マスター・パネル……速度計、回転計、燃料計などの計器盤と各種警告灯が並ぶ
⑰ハッチ・リフティングハンドル……操縦士用ハッチを開け閉めするハンドル
戦車の操縦はオートバイのハンドルのようなステアリング・コントロール・ハンドルで行なう。右へ行きたければ(ステアリング装置の取り付け部を中心に)ハンドルを右へ、左なら左へ回せばよい(つまり、左折ならハンドル右側を前へ押し、ハンドル左側は引くことになる)。
ハンドルを回すとトランスミッションのバリアブル・ハイドロスタティック・ポンプとモーターが作動し、左右の履帯の回転速度を差動させ、車体をハンドルを回した側へ旋回させる仕組みになっている。
また右グリップはエンジンのスロットル・コントロールになっており、手前に回すと回転数が上がる。これもオートバイと同じだ。戦車のトランスミッションの変位(ギアチェンジ)スイッチもハンドル中央にある。
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