武装の搭載──3人で運ぶが、背が低いと大変かも!?
機体のPRを行なっている間に、後方部分が青色に塗られたSRM(短距離ミサイル。AAM-3やAIM-9などのIR[赤外線誘導]ミサイル)のキャプティブ弾(模擬弾。Captive)をアーマメント(武装特技員)が搭載する。
キャプティブ弾は推進薬や炸薬を搭載せず、シーカーなどの弾頭部分だけの訓練用ミサイルで、発射することはできないため実弾搭載前の回路チェックは必要ない。またキャプティブ弾は何度も発射をシミュレーションできるので、搭載するのは1本だけである。
SRMはそれほど重くないので人力で行なうが、翼下燃料タンクがない場合は、筆者くらいの身長(177cm)があれば踏み台がなくても搭載可能だが、3〜4人を必要とするので架台に乗って搭載するのが普通である(翼下燃料タンクが装着されている場合はランチャーの下にタンクがあるので、筆者でも台がないとランチャーまで届かない)。
搭載ステーションは2番と8番のうちどこに搭載するかは決まってはいないが、左翼の8番外につけることが多い。一方、機軸に近い内側のランチャーの方がミサイルの感知精度がいいという話もあるので、戦競のときなどは内側に搭載することが多かったように思う。
なお、厳密には「ステーション」はパイロン1を取り付ける場所のことで、ステーションのハードポイント2に「パイロン」を取り付ける。そしてそのパイロンの下に増槽や、左右に「ランチャー3」をつけてミサイルを搭載することができる。
またミサイルの取り付け作業は、例えばF-15のLAU114/AランチャーにAAM-3を取り付ける場合であれば、レールに欠けている部分が2ヵ所あるので、ミサイルに2ヵ所ある突起部分を合わせ、少しスライドさせてロックする。
そしてミサイル前方にあるケーブルをランチャーのコネクタに取り付け、ノーズフェアリング4を閉じる。そしてミサイルの前方にある4枚のフィンのうち、ランチャー側の2枚を固定すれば4枚とも動かなくなるので、これで搭載完了となる。
もちろん空対空実弾射撃訓練の際は実弾を搭載するので、その際は電源車とグランドクーラーを用意するか、機体のエンジンを回して回路チェックを行なってから搭載する。なお、この場合のエンジンランはパイロットが行なう必要がある。
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