F-35の新エンジン【米空軍のエンジン最新事情1/3】

米空軍のエンジン最新事情
B-21の開発やデジタルセンチュリーシリーズなど次世代戦闘機構想が戦闘機ファンたちの心を騒がせているが、これらの情報は機密性が高いため、なかなか公開されない。
一方で、エンジンはやや地味な存在ではあるが、そこから見ていくことで機体の情報を推測できることも少なくない。
本記事ではこれから3回にわたって、米空軍のエンジン最近事情を紹介してみたい。

現在、F-35ステルス戦闘機にはP&W(プラット&ホイットニー)社のF135ターボファンエンジンが使われている。

だが、2025年以降にF-35に新しいエンジンが採用される可能性がある。今のところ、新エンジンとしては以下の3種類が候補として挙がっている。

  • XA100(GE:ゼネラル・エレクトリック社)
  • XA101(P&W)
  • F135のアップグレード性能向上型

今回は、これらアメリカの最新エンジン事情について、見ていきたいと思う。

成功作と言ってよいF-35のF135エンジン

F135エンジンは4万ポンド以上の推力を発生させることができるが、運用面でも優れている。P&W社によれば、20万エンジン飛行時間において、飛行中に再起動できずに停止してしまったF135エンジンの割合は、第四世代機のエンジンに比べて13分の1だったという。

F135では、2基の全自動デジタルエンジンコントロール(FADEC)により、電子制御システムのバックアップが提供される。また、すべてのアクチュエーターにもバックアップとして2基の電気油圧式サーボバルブ(EHSV)が備えられており、万一のときのために冗長性が保たれている。

F-35A型やC型に使用されているF135エンジンの断面イラスト(A用とC用はほぼ同じ)(Illustration:Pratt & Whitney)
F-35B型に使用されているF135エンジンの断面イラスト。左下(前方)に突き出ているのは垂直離着陸時に使用するリフトファン(Illustration:Pratt & Whitney)

F135は、エンジンの吸い込み遺物損傷(FOD)にも耐えられるようにエンジンブレードが特別に設計されており、これまで大型の鳥を含む70の遺物吸入事件においても、いつもエンジンは作動し続け、パイロットは安全に着陸することができた。

F135の任務遂行可能率(mission capability rate)は一貫して95%を超え、故障でエンジンが降ろされる「早期エンジン取り卸し(UER)」率は、第四世代機のエンジンに比べて250%向上した、とP&W社は報じている。

P&W社は2019年の終わりまでに600基のF135エンジンを引き渡している。2019年内に引き渡されたのは150基である。2019年にF-35ジョイントプログラムオフィスは73億ドルの契約をP&W社と交しており、2020年から22年までに509基のエンジンが引き渡される予定だ。

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