
加えて航空自衛隊では機関砲のどのような訓練を行なっているかや、どういう場合は当てることが難しくなるかなどを話してもらいたい。
撃っている感覚はほとんどない
今回はバルカン砲です。20ミリのガン(機関砲)です。結論から言うと、戦闘機には当たりません(笑)。
バルカン砲の細部はググっていただきたいと思います。今回は実際の使用についてお話ししていこうと思います。

実際の射撃の感覚は、皆様が思っているものとは異なると思います。実際に軽機関銃でも撃った経験のある方ならもう少しイメージは沸くかもしれませんが、やはりそれとも大きく違うと思います。引き金を引くと、「ブーン」という音と振動が来ます。どちらかといえば高速回転運動をしている音で、機関銃を撃つ感覚ではありません。静かです。
なお、反動は厳密に言えば多少ありますが、ほとんどないと言っていいと思います。少なくとも操縦や照準上で問題となるほどの飛行機特性を変化するほどの反動はないです。
毎分6,000発を撃ちますので、毎秒100発が出てしまいます。射撃は通常0.5~1.0秒程度の引き金動作になっていて、1回の射撃で50~100発を発射します。6本の銃身が回転して撃つ仕組みで、定められた回転数になるまでは弾が出ませんので、最初はロスが少々あります。
飛んでいく弾自体は見えませんが、黒い煙が弾の後についていくので少しは見えて撃っている感じはあります。曳光弾(えいこうだん)を入れている場合はよく見えますが、曳光弾と実弾では弾道が違いますのであまり参考にはなりません。ただ、撃っている満足感はかなりあります(笑)。
ちなみに曳光弾は数十発に1発程度入れますが、アラートについている戦闘機には相手に射撃がよく見えるように曳光弾が多めに搭載されているようです。私はスクランブルで上がっても実際に撃ったことがないので効果は分かりません(笑)。
なお、自衛隊の歴史では一人だけ、領空侵犯してきた不明機に対して(不明機の)横で前方に警告射撃をした記録1が残っています。
機関砲の種類はM-61シリーズで、F-104やF-4EJ、F-15と我が国の歴代戦闘機で使われているものになります。なお、F-104はでは電動、F-4とF-15は油圧駆動になります。ただしF-4はF-4E以降の機体に搭載されたため、後付けの装置になります。

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