戦闘機のところまで着いたら、パイロットも点検を行ないます。
自動車と違い、戦闘機乗りには想像以上に重要なプロセスの一つで、厳格なルールも定められているようです。
今回は通常、パイロットがどのような箇所を、どのようなことに気を付けながら見て回っているのか、また、その意図について解説してもらいます。
まずはコクピットを点検──外部点検のための点検
戦闘機に到着したら、ここからが本番です。並んでパイロットの到着を待っている整備員の皆さんに挨拶し、ヘルメットやフライトバッグを渡して身軽になってから点検を始めます。
まずはラダー(はしご)を登ってコックピットをのぞき込み、シートに安全ピンが入っていることを確認します。さらに、脚ハンドルが下りているとか、フラップレバーが上がっているとか、その他重要なスイッチなどが所定の位置にあることを確認します。
ここで最初に、機体外部ではなくコックピット内をのぞく理由は、外部点検が安全にできるかの確認を一番にするためです。
機体によっては外部点検前に電源を入れる必要があるものもあるので、まずはコックピット内を点検して、急に作動する危険性がある装置がちゃんと不作動位置になっているかなどを確認する必要があります。
これも自分の身を守るためです。さもないと最悪、外部点検中に戦闘機に腕とかを挟まれる可能性があります。すべてにおいて安全第一が基本です。
レバーやスイッチが「あるべき位置にある」ことを確認
フラップレバーの位置の確認は一つの例ですが、基本はすべてのスイッチがOFFになっていて、レバーもあるべき位置にあることなどを確認することが重要です。
厳密には、マニュアルに外部点検前のコックピット点検は指示されていません。通常、手順の最初は781と言われる当該飛行機の整備記録の確認からで、この後に外部点検に入ります。
その他重要なスイッチとは、とくに武装関係のスイッチです。多くのスイッチには安全装置があって、電源が入ったぐらいでは作動しませんが、その安全装置自体が壊れていると瞬時に作動してしまいます。
昔、安全装置が作動していると思って、あるスイッチを入れたら、その装置が作動してしまって飛行機を壊してしまった事故もありました。
コメントを残す