F-22&F-15との比較で見る F-35の制空力

【記事の趣旨】F-35が無人機などを指揮する「空の司令塔」になりうる最新鋭機であることは分かる。ただ、現実にはそういった戦術を実現するには莫大な費用と時間がかかるので、日本では当面、F-15Jのように従来の制空戦闘機としての役割が求められるはずだ。

その前提の上で、航空評論家・石川潤一先生に、制空戦闘機としてのF-35の能力はいかほどのものか、米空軍の虎の子であるF-22や空自の主力F-15との比較を交え、解説をお願いした。

いよいよ配備が本格化しつつあるF-35A

航空自衛隊最初の飛行隊、第302飛行隊の編成が青森県の三沢基地においてほぼ完了、2個目の第301飛行隊の編成が始まったF-35AライトニングⅡ戦闘機だが、専守防衛を国是とする日本において、最も重要な戦闘機の任務、領空侵犯対処についてはまだ始まっていない。

コロナ禍により配備が遅れたこともあるが、最新鋭戦闘機であるF-35Aを日本近海まで偵察に来ているロシアの爆撃機や偵察機の前に晒すことには慎重な意見も多い。

2018年1月に臨時のF-35A飛行隊として配備されていたが、正式に三沢基地の第302飛行隊に編成されることとなり、部隊マーク(オジロワシ)が描かれたF-35A。写真は2020年3月の新編記念式典のときのもの。なお、この部隊マークは翼が「三」、尾翼が「〇」、脚が「二」をそれぞれ示している(Photo:航空自衛隊三沢基地HPのF-35画像の左上に、同HPのマーク画像を加工)

現実問題として、三沢基地には同じ北部航空方面隊から第2航空団のF-15Jイーグル戦闘機が展開、領空侵犯対処のアラート任務に就いている。第302飛行隊のF-35A運用が本格化したところでこの F-15の移動任務は終わることになるが、やはり気になるのはF-35Aの戦闘機としての能力だ。

2020年12月15日、2番目のステルス機戦闘機部隊として三沢基地に配属された第301飛行隊のF-35A戦闘機。写真は新編記念式典のもの。垂直尾翼には部隊マークのマフラーをしたカエルが描かれている(Photo:航空自衛隊HPのF-35の画像の左上に、同HPのマーク画像を加工)

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石川潤一航空評論家
(いしかわ・じゅんいち)
1954年東京生まれ。立正大学地理学科卒。
雑誌「航空ファン」編集部をへて1985年にフリーに。
航空・軍事雑誌の記事、著書、訳書多数。