第2回 初期アサルトライフル──M14 vs. AK47(後半)

この連載は、ライバル関係にある銃を比較することで、その銃の特長や本質を見ていこうという企画です。

後半の今回は、M14とAK47のより細かな部分に注目していきます。

実際に使用した際のM14とAK47の比較

さて、筆者の個人的な好みの話だが、筆者、「好き」というならAK47よりM14ほうが好きだ。日本人の体格には、少々大きいとも言われているが、カモ猟に使うオートマチックの散弾銃より大きいわけではない。猟銃として普通のサイズだ。むしろFAL(FN社)やG3(H&K社)より、構えたときしっくりくる。

照準器が精密にできていて、狙いやすく、実際よく当たる。撃ってよく当たる銃は、やはり好きになる。M14の命中精度がよいのは、銃そのものの工作精度がよいだけでなく、照準器が精密にできていて、狙いやすいということもある。

[上]スプリングフィールド造兵廠が開発したM14で全長112cmほど、[下]ミハイル・カラシニコフが設計したAK47 Ⅱ型(長さを比べるため左右反転)で全長88cmほど



弾のクリップ──AKの方が弾は多いが、滑らかさは低い

世界のたいていの国では、軍用小銃弾というものは、5発か10発づつクリップでまとめられ、それを弾倉の上に当てがって、弾をグイと押し込んでやれば、クリップをレールにして5発、10発の弾が弾倉に押し込まれていく。それがないのは自衛隊くらいのものだ(昔の日本軍はクリップ給弾だった)。

M14の弾は5発クリップで、AKの弾は10発クリップである。それではAKのほうが迅速に弾込めができるかというと、まあそうなのだが、10発クリップは5発クリップより弾が滑っていく抵抗が大きく、何か円滑に押し込めない感じがあって、10発クリップだから5発クリップの2倍能率がよいというほどのこともない。

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かのよしのり
1950年生まれ。自衛隊霞ヶ浦航空学校出身。北部方面隊勤務後、武器補給処技術課研究班勤務。2004年定年退官。
著書に『銃の科学』『狙撃の科学』『重火器の科学』『拳銃の科学』(SBクリエイティブ)など多数。