第4回 戦車砲のメカニズム(2/3)──砲弾の威力の上げる方法 
連載「戦車の戦い方」

前回は戦車砲の構造について解説した。
今回はその戦車砲の威力を向上させるために、何を変えることが重要か、効率的かを紹介していきたい。

戦車砲の能力──どうすれば威力を上げられるか

戦車の装甲と戦車砲には密接な関係がある。装甲が厚くなれば、これを撃ち抜くために戦車砲の威力は当然、強くなければならず、砲の能力向上が図られる。そして砲が強力になれば、装甲はさらに厚くなっていく。火砲の威力は口径や砲身によって影響を受けると前回述べたのはこういうことだ。

戦車がその揺籃期のように歩兵支援用の火器プラットホームとして使用された場合には、想定する相手は戦車のみならずさまざまな目標が含まれていた。このため、搭載される砲はどちらかというと装甲貫通能力を重視するよりも、榴弾砲のように殺傷能力や破壊力が重視されている。

しかし戦車が発達した結果、戦車同士の戦闘が行なわれるようになり、戦車砲の装甲貫通力が重要視されることになった。

この貫通力を強くするためには、まず発射時の弾体の初速度が高くなければならない。初速度とは弾体が砲口から撃ち出された瞬間の速度のことで、これを速くするには砲身を長くすることが必要となる。同口径の砲でも、砲身の長いものの方が初速は速くなる。

M1戦車が射撃を行なった瞬間(Photo:U.S. Army)

3件のコメント

どうしても気になるので、いくつか指摘をさせてください。

まずWV²=Kd³(t/d)ⁿの式は左右で単位の次元が一致しません(そもそもKd³(t/d)ⁿには時間の要素が無い)。なぜイコールで結べるのでしょうか。
これだと3時間=300mみたいな、一体全体、何を言ってるんだという世界になってしまいます。

またWVのWを「重量」とした場合、これは運動エネルギーになりませんし、速度の積分で出て来る1/2が消えてる理由も判りません。どこに運動エネルギーの要素があるのでしょうか。

そして、上記の式から貫入する深さは

(t/d)ⁿ=WV²/Kd³
=tⁿ=(WV²/Kd³)dⁿ

ですから、直系は3乗で反比例します。よって直系が大きくなったら貫入=tの値も小さくなるように見えますが。

また、弾体の断面は通常、正円ですから、その面積はπrrであり、半径の2乗では無いでしょうか。

そして正円断面の紡錘形の弾丸の体積は、先端から末端までの円の断面積の積分で求められるものですから、普通に考えると直系の3乗では求めれないと思うのですが。

コメントありがとうございます。

本サイトの運営者で、パンダ・パブリッシングの松本と申します。

著者の負担軽減と円滑な運営のため、大変申し訳ないのですが、運営者の権限ですべての著者には質問への直接の回答は控えてもらうようお願いしていますので、代わりに私が回答させていただきます。

本サイトとしましては、このドゥマーレの実験式は装甲計算の基礎になっているもので、装甲に関するさまざまな文献にも出てくるものなので間違ってはいないのではないかと考えています。

ご指摘いただいた細かい内容については、私にはレベルが高すぎて理解できないので、回答を控えさせていただきたいです。申し訳ありません。

満足な回答ができず申し訳ないのですが、引き続き本サイトをよろしくお願いいたします。

コメント欄で質問者さんが示した式は

tⁿ=(WV²/Kd³)dⁿ

 口径が異なる2つの砲、AとBで考えましょう。Bの口径はAの2倍とします。砲弾の形が同じならBの砲弾重量WbはAの砲弾重量Waの8倍になります。ですから上式の右辺のカッコ内をAとBで比較すると、(Vが同じなら)AもBも同じ値になります。ですから、(繰り返しますが)砲弾の形が同じ、(付け加えると)砲弾比重が同じなら、貫通力はdに比例することになります。

 元の式は「砲弾重量が同じなら(砲弾径が小さく)細長い砲弾が貫通力が大きい」を示しています。常識的だと思いませんか?

 しかし、著者が「この計算式によると、徹甲弾の性能を向上させるには、弾体の直径を大きくするか、初速を上げることによって達成される。」
 としているのは、説明が足らないというか、乱暴というか・・・著者自身が理解していない可能性もあります。

半径、直径うんぬんですが、その違いはKの値で整理されるだけのことです。

 さて、エネルギーの単位はJですが、1Jは1Nmです。
 F=ma(力=質量×加速度)ですから、1Nは1㎏m/s²。
 したがって、1Jは1㎏m/s²×1m→1㎏m²/s²です。
運動エネルギーの式E=(1/2)mv²の右辺と同じ単位で示すことができます。
 あと、常数に単位があるのは珍しくありません。

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坂本明軍事ライター、イラストレーター
(さかもと・あきら)
長野県出身。東京理科大学卒業。
雑誌「航空ファン」編集部を経て、フリーランスのライター&イラストレーターとして活躍。
著書に『最強 世界の歩兵装備パーフェクトガイド』『最強 世界のジェット戦闘機図鑑』『最強 自衛隊図鑑』『世界の軍装図鑑』(学研プラス)など多数。
1/28に最新刊『最強 世界の空母・艦載機図鑑』(ワン・パブリッシング)を出版。